2015年(平成26年)の餃子の消費量ランキングのニュースを見ました。結果は1位が浜松市(4,646円)、2位が宇都宮市(3,981円)との結果に。浜松は二年連続となりました。おめでとう!
しかし、この調査ってどのように実施しているか知っていますか?気になって調べてみたら、ランキング自体の信憑性が怪しくなってきました。
そもそも何の数字をランキングしたもの?
今回の餃子のように、「○○消費量ランキング」というのをよく目にします。これは、総務省が実施している家計調査の品目ごとの支出額の数字が根拠であることが多いです。テレビ局などが勝手に調べたものではないんですね。
総務省の家計調査とは?
では、総務省の家計調査って、いったいどんな調査なんでしょうか?総務省統計局のホームページにはこう記されています。
家計調査は,国民生活における家計収支の実態を把握し,国の経済政策・社会政策の立案のための基礎資料を提供することを目的とする。
引用:http://www.stat.go.jp/data/kakei/1.htm|統計局ホームページ/家計調査の概要
国内の個人消費を調べることで、政策の立案に使っているんだそう。政府のお偉いさんのためなんです。決して「餃子消費ランキング!」とか「納豆消費ランキング!」のために調べている数字ではないんですね。←当たり前だ
ちなみに資料はこちらのページからExcelファイルでダウンロードできます。その他、データベースからツールで抽出する機能があったりするので遊んでみてもいいかも。
<品目分類>1世帯当たり年間の支出金額,購入数量及び平均価格
→4-1 都道府県庁所在市別-二人以上の世帯
消費量ランキングの信憑性
消費量ランキング2015年の結果が家計調査ということはわかりました。しかし、よくよく説明を読んでみると、この調査を消費ランキングに使用するには無理があるように思えます。その理由は3点。
①場所が限定されている!
まずこれ。調査の対象となるのが、都道府県の県庁所在地と政令指定都市に限定されています。
例えば、青森県なら青森市だけだし、山梨県なら甲府市だけ。福島県なら郡山市も大きいのに調査されていないし、北海道はあんなに広いのに札幌市だけ。これではちゃんと比較できていないような…。
②2人以上の世帯のみ
2点目がこちら。すごく…曖昧です。
世帯別の支出を調査するのに、世帯の人数が合っていないんですね。2人世帯と石田さんチも同じ金額で集計されている可能性が?(さすがにトータル人数とかは合わせていると思いますが)
また、独身世帯はスルーされています。まあ、品目に化粧品とか女性用下着ってあるからしょうがないんですが。スーパーで餃子買うのって独身サラリーマンが多いと思うんですよ。夜の西友で餃子買っているのってスーツ姿のリーマンばっかりですよ。それがカウントされていないとなると、ちょっと消費量ランキングとは言えないような。
③冷凍食品や飲食店のぎょうざは除く
最後がこれです。
家計調査は品目ごとの消費金額を集計していますが、この品目分けが複雑なんです。
集計表を見ると、「他の調理食品」という分類の中に「ぎょうざ」の品目があります。これだけ見ると、どんな餃子を購入した場合も含まれると思ってしまいそうですがそうではありません。
例えば、その少し下に「冷凍調理食材」という項目があり、冷凍された餃子はこっちに入ります。つまり、定番の味の素や大阪王将などの冷凍餃子。これは「ぎょうざ」に含まれない!餃子買ったのに餃子でカウントされないんです!なんだそりゃ!
さらに外食も別集計。飲食店で餃子を食べると、お店の種類によって「中華そば」「中華食」などの品目に集計されます。ということで、実質スーパーで売っている生の餃子か調理済の餃子だけが「ぎょうざ」に含まれるというトリック。
だからこの品目ごとの支出金額を比較したって、消費量ランキングにはならないわけなんです。くっ、わかりにくい!
まとめ
以上のことから、消費量ランキングの数字はまったくあてにならないことがわかりました。
だって、ウチも餃子大好きで、手作り餃子はよく作るし、冷凍餃子は冷凍庫にストックしておかないと落ち着かない。日高屋でもリンガーハットでも餃子頼むし、餃子の王将も行きます。だから、 浜松市の年間消費量4,646円なんて大したことないって思いました。が、今回のランキングだとこれら全部カウントされませんからね。はっはっは。実態とは違うわけだ。
…ん?
実態と違うと言えば、納豆消費ランキングで福島市(6,153円)から大差の5位の水戸市(5,226円)。あれはおかしいと思っていたけど、「納豆」を買わずに「大豆」を買って自宅で納豆を作っている可能性がビレ存…?
以上、おあとがよろしいようで。
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