本日から封切された、クレヨンしんちゃんの映画最新作「爆睡!ユメミーワールド大突撃」を見てきました!
脚本に劇団ひとりが関わっていると聞きちょっと不安もあったんですが、そんな心配はまったくいらなかった。ここ10作の中では、三本の指に入るくらい上質でおもしろい作品でした!(ボジョレーヌーボー風)
あらすじ
ある日、春日部市民は全員揃って「ユメミーワールド」という世界に迷い込むという夢を見るようになる。ユメミーワールドでは誰もが持っている夢玉の力で見たい夢が自由に見られるということで市民たちは毎晩楽しい夢を満喫していく。それから数日が経ち、春日部に貫庭玉サキとその父親が引っ越してくる。そして時を同じくして夢に大きな異変が起きる。楽しい夢を奪われ、ユメミーワールドの外にある悪夢の世界で恐ろしい事態に巻き込まれてゆく市民たち。次第に悪夢しか見れなくなる人が増え、その影響で現実世界も混乱に陥る。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%A8%E3%83%B3%E3%81%97%E3%82%93%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93_%E7%88%86%E7%9D%A1!%E3%83%A6%E3%83%A1%E3%83%9F%E3%83%BC%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E5%A4%A7%E7%AA%81%E6%92%83#.E3.82.B9.E3.83.88.E3.83.BC.E3.83.AA.E3.83.BC|クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃 – Wikipedia
前作の「引っ越しサボテン」はメキシコに行った野原一家がメインの話でしたが、本作ではカスカベ防衛隊がメインに描かれている作品です。物語の真相を握るのは、ヒロインキャラのサキ。彼女とカスカベ防衛隊の友情を中心に物語は進んでいきます。果たしてしんちゃんたちはユメミーワールドの悪夢の世界を打ち破ることができるのか?
ざっくりとした感想
今回の映画、おもしろいかおもしろくないかで言うと・・・超おもしろい!
ここ最近の作品では「ロボとーちゃん」の次におもしろい。前作の「オラの引越し物語」とはいい勝負だけど、個人的にはこっちの方に軍配が上がるかな?というくらい。
いいところが多くて挙げだしたらキリがないけれど、いくつか紹介させてください。
脚本がいい!
実際に見るまで、脚本にお笑い芸人の劇団ひとりが参加していると知って心配だったのですが、フタを開けてみたらストーリーは感慨深いしギャグはキレッキレ。最後までまったく飽きることなく見終っていました。ああ、もっと見ていたかった。
やるじゃないか劇団ひとり。お笑い番組のネタはマニアックだったりくどかったりであまり好きじゃないけど、脚本は素晴らしかったですよ。
芸能人声優がいい!
あと、映画版の定番である芸能人声優が素晴らしかった。
今回はメインどころではサキちゃんの両親役の安田顕、吉瀬美智子の演技にまったく違和感がなかった。(見終わるまでゲスト声優がいたことを忘れていたくらい)
また、ギャグ要員の城崎仁、大和田獏、とにかく明るい安村の三人も、テンポを壊さずに爆笑を誘っていました。今回の人選は当たりでしたね!特に獏さんサイコー。
「久美子ー!」
ギャグシーンがいい!
まず、今回はギャグシーンの盛り込み方が半端ない。作品内で5分間シリアスが続いたことってないんじゃ…?常に何かしらギャグが織り交ぜられていた印象です。これって、悪夢のシーンがトラウマになるくらいコワイからだと思うけど(笑)
そのおかげで、ギャグ→コワイ→ギャグ→コワイ・・・と展開がコロコロ変わってコントラストがハッキリとし、ギャグがキレッキレ。いやー笑った笑った。
しんちゃんのケツ筋とか、ボーちゃんのアレとか、ひろしのアレをああしちゃうところなんてもう最高!(自主規制)
ちょっと核心に迫った感想(ネタバレ注意!)
本作は、ギャグシーン満載&コワイシーン満載の映画という風に見えますが、裏側にはしっかりとしたテーマがあるように思います。
それは「子を想う親の気持ち」です。
ここからはネタバレが入ってきますので、ご注意を。見たくない人はブラウザバックで回避してくださいね。
父親の想い
夢彦がユメミーワールドで夢の力を吸い取る必要があったのは、娘のサキちゃんのためです。サキちゃんは母親を事故で亡くして以来、悪夢しか見られなくなっています。父親である夢彦は、手に入れた他人の夢の力でサキちゃんの悪夢を塗りつぶすことでサキちゃんを守ろうとしたのです。
「例え世界中が不幸になったとしても、私は自分の娘を守る!」
これは劇中での夢彦のセリフ。父親から我が子への想いが表れています。パパ目線で見ちゃうとこのセリフ、琴線に触れすぎる。そう、娘を守りたい、それだけなんですよ!自分だってきっとそうなっちゃいます。だからワタシは夢彦のこと憎めません。
母親の想い
サキの母親サユリは実験中の事故で亡くなりました。実験が失敗した時、誤って実験室に入ってしまったサキ。サユリはサキをかばい命を落としてしまったのです。
サキちゃんは悪夢の中で、母親と小さい頃の自分からこのことを責められます。「お前のせいで母親は死んだ」と。だから、サキちゃんは「母親は自分のことを恨んでいる」と思っているんですね。
しかし、実はこれ母親の想いではなく、実際はサキちゃん自身の後悔の念が生み出した幻想なんです。それを教えるためにみさえ=母親が伝えに行きます。
「母親にとってはかけがえのない娘よ」
「どんなことがあったってあなたを憎むはずない」
(ごめんなさい。セリフうろ覚えです…)
母親から娘への想い。その言葉で解放されるサキちゃん。かくして悪夢に悩まされる日々はなくなるのでした。
想いの違い
悪夢を塗りつぶして守ろうとした、父の想い。
悪夢を認めて解放してあげた、母の想い。
どちらも正解で、どちらも娘のことを大切に思っている。ただ、ちょっとだけ視点が違うだけ。だから夢彦のこと責められないんですよね。
ずるいんだよなぁ。結局、誰も悪人がいない話なんだもの。せつなすぎるよ。
悔しい。劇団ひとりに泣かされちまった。
まとめ
ギャグ、ホラー、ドラマ、それぞれがボリューム満点。おもしろくて、悲しいけど、せつないけど、あたたかい作品でした。劇団ひとりスゴイ!
父親目線で涙腺崩壊するのが「ロボとーちゃん」だとすれば、母親目線で涙腺崩壊するのが「ユメミーワールド」?…なのかしら?ぜひお子さんを持つお母さんに見てもらい作品ですね。
ドラえもんもコナンもありますが、今年のクレヨンしんちゃん、かなりおすすめですよ。
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